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トレーナー紹介

望月トレーナー

中国語学習に迷ったとき、心に寄り添うサポートを心がけて


望月   中国語トレーナー

今回ご紹介するのは、「中国語との出会いは香港映画だった」と語る望月トレーナー。語学の入り口は「好き」から。そんな望月トレーナーは、自身の豊富な経験を活かして、受講生向けのコラムも執筆中。知識の深さと親しみやすさから、受講生の中には「ファンです!」と話す方もいるほどです。

中国語を「ものにした」トレーナーとして、どんなサポートを心がけているのか? そして、トレーナー目線で見たフルーエントの魅力とは? 学びに向き合う温かいまなざしを、じっくり伺いました。

(取材:中国語ゼミ編集部 永田 )

一人ひとりに沿ったサポートを模索して

永田:たくさんの受講生をサポートされてきましたが、どんな点を大切にサポートされていますか?

望月トレーナー:受講生とのコミュニケーションを通して、一人ひとりに合ったサポート方法を模索しながら寄り添うことを大切にしています。その上で、私たちのカリキュラムを信じて実践していただければ、迷うことなく一直線に実力を伸ばしていける――そんな学習環境づくりを目指しています。

中国語学習で揺らぐ心と向き合う ― メンタルブロックの乗り越え方

永田:たくさんの受講生をサポートされてきた中で、特に印象に残っているエピソードなどはありますか?

望月トレーナー:そうですね。たとえば「1日30〜60分、音読しかしません」と、私たちのカリキュラムを信じて、シャドーイング学習だけを徹底された方がいらっしゃいます。まったくの初心者だったのですが、10カ月でHSK4級と5級にダブル合格されました。

永田:えっ、それはすごいですね! 迷いなく学習を進められた結果ですね。

望月トレーナー:はい。でも一方で、カリキュラムやご自身に対して猜疑心や不信感を抱きながら進められる方もいらっしゃいます。そうなると、学習の手が止まってしまうこともあって……その「心の壁」を外すのは、トレーナーでもなかなか難しいと感じます。

永田:なるほど。学習の進み具合は、心の状態にも大きく左右されるんですね。

望月トレーナー:ええ、まさにそうです。ただ、カリキュラムを信じて進んでいただければ、一直線に力がついていくことは確かなんです。実際、定年退職を機に受講を始められた方が、ご退職と同時に中国の大学へ日本語講師として転職されたケースもありました。

永田:それは素敵なお話ですね。学びが新たなキャリアにまでつながっていくんですね。

“好き”がきっかけで深まっていく、中国語とのご縁

永田:望月トレーナーと、これまでの中国語との“歴史”についてぜひ、お話をお聞かせください。

望月トレーナー:1990年代、通っていた専門学校の研修旅行で香港を訪れる機会がありました。その時に香港の文化、とくに香港映画や音楽の世界にドはまりしたんです(笑) 

社会人になって以降は貯金をして、休みのたびに現地を訪れて。香港映画が好きという共通の趣味でつながった友人と現地で交流をしたり、どんどんオタク度を増していきました(笑) 

そういったご縁もあって、実は私はもともと、広東語を学びたいと思っていたんです。

永田:香港がスタートだったのですね。望月トレーナーは「好き!」となると、とことん突き詰められるタイプでしょうか。

望月トレーナー:そうです。例えば好きな香港の俳優さんがいたとしても、その人について書かれた日本語の情報は少ないんですよね。より深く知りたければ、現地の言葉による一次情報を集めるしかありません。

言葉がわからなくても、とにかくその人に関連するニュースや出演作品を探して、たくさん観ました。北京語字幕の下に、英語字幕がついているようなレーザーディスクやビデオテープなんかも、観ましたよ。

永田:ビデオテープ…懐かしい!!

望月トレーナー:日本語を介さず、好きなもののために、自分をそちらに合わせていく、という感覚でしたね。

永田:何と言っているのか、詳しいところはわからないけれど、とにかく観る、ということでしょうか。

望月トレーナー:そうですね。雰囲気しかわかりませんが、好きな俳優さんも出ているし、身振り手振りや字幕を頼りに観まくりました。

永田:ちなみにどのくらいの量、ご覧になったんでしょう。

望月トレーナー:例えば『少林サッカー』の主演兼監督でも有名な周星馳(チャウ・シンチ―)さん。私は大ファンなのですが、彼が出演した映画はすべて観ました!

永田:望月トレーナーは、それらの情報ってどこで入手されるんでしょうか。ネットのサイト…?

望月トレーナー:当初、インターネットはありませんでした。パソコン通信(※)で知り合った、当時、香港に駐在しておられた日本人の方がレンタルしたビデオをダビングして、私に送ってくださいました。

永田:すごい!

望月トレーナー:私自身も、旅行のたびに現地でビデオを買いあさりました。お好きな香港映画について出版したり、同人誌にまとめたりする方もいらして、バイブルにして読んでいましたね。

永田:「好き」を通してつながったお仲間が、ほんとうにたくさんいらっしゃるのですねぇ。素敵です。

望月トレーナー:中国語や香港映画・音楽など、共通の趣味を通してたくさんの人に出会いましたし、私自身、中国や中国語に何度も救われることもありました。

永田:望月トレーナーのお話をここまで聞いているだけで、「好き」のエネルギーがばんばん伝わってきます!

やはり「中国語を…!」

望月トレーナー:そのあと、転職や生活の変化から、香港や広東語から離れていた期間がありました。再び広東語学習を「やりたい!」と思ったのは、香港が1997年、英国領から中国へ返還されたあと。今から学ぶなら、広東語ではなく、北京語(普通話)を学ぶべきだと思ったんです。

永田:どんな風に学習をスタートされたのですか?

望月トレーナー:週1で、あるNPOが運営する語学学校に通い始めました。授業の半分は日本語の雑談で終わるようなゆるい教室だったのですが、ネイティブの先生が話す中国の文化や生活習慣はまさにカルチャーショックで、「中国に行って、自分の目で見てみたい」と強く思うようになりました。

また、当時の学びを振り返ると、非常に体系的だったと感じます。教材は中国で出版された、現地留学生向けの口語(スピーキング)教材で、初対面のあいさつ、友人宅を尋ねる、街で買い物をするなど、さまざまな場面での会話があり、覚えてしまえば実践でそのまま使えるものばかりでした。

フルーエントのコースで受講生さんが使われる『本気で学ぶ中国語』と似たような構成です。

永田:授業の様子はどんな感じだったのでしょうか。

望月トレーナー:中国語を先生が読み上げ、それを生徒が繰り返す、そして、一人ひとりの発音を先生がフィードバックする、というスタイルでした。その前準備として、まず初めに新出単語を確認・練習し、その次にそこで使われる文法の解説と、用例(例文)を確認するんです。

文法解説でインプットしたら、その例文を基に〝一部を置き換える練習〟でアウトプットするんです。これでその構文を把握したあとで、最終的に本文全体に取り組む、そんな流れでした。

永田:”理解”した上で、練習をする、ということですね。

望月トレーナー:まず単語、文法(例文)、そして最後に本文。これはその後受けた他の中国人講師レッスンでも同じ手順でした。

永田:望月トレーナーはその後、北京にも留学されていますね。

望月トレーナー:2005年夏に4週間、北京語言大学へ短期留学しました。C-Popが好きなので、それ以前からCDやネットラジオなど、家では常に中国語を聴くようにしていました。

コンサートのDVDを観たりもして(笑) そうこうするうち、よりしっかりと中国語を学びたくなって。

永田:北京での留学当時、どのように学習されていましたか?

望月トレーナー:午前に授業を2コマ受け、午後は1対1の会話レッスンも取りました。留学生寮は2人部屋で、タイ人のルームメイトとの共通言語は中国語のみでした。

時々、買い物に出て値切ったり、コンサート会場前でダフ屋からチケットを買ったり。そうしたシーンでは毎回、それまで教材で学んでいた場面別の会話がとっても役に立ちました。学んだ文を思い出してそのまま使えばいい場面がたくさんありました。

あとはもう、実践のなかで、勉強した中国語をどんどん使っていきました。

永田:まさにツールとしての中国語ですね。当時のキャンパスライフが目に浮かぶようです。楽しそう…!

望月トレーナーはずっとラジオをかけっぱなしにするなど、基本的に常に「中国語がある」状態を作られています。 座学としての時間はそれほど設定していなかった、とおっしゃっていましたが、 その分、ラジオのかけっぱなしや、ご自身が好きな音楽を聴き、DVDを観るなどをされています。

劇的に訪れた、ブレイクスルーの瞬間

望月トレーナー:グラフィックデザイナーとして仕事をしつつ、好きが高じて中国へ度々出かけていたのですが、私に、先輩が「中国で現地スタッフに指導できる日本人デザイナーを探しているのだけれど」と声をかけてくれたんです。その後、縁がつながって、中国でお仕事を請け負う機会に恵まれました。2007年頃のことです。半年の契約で蘇州へ渡りました。

永田:チャンスは折にふれてやってくるのですね。

望月トレーナー:職場には70~80人の中国人がいて、当然、聞こえてくるのは中国語だらけ。実はそんな環境を苦痛に感じた時期がありました。

永田:留学時代とはまた違った環境ですものね。

望月トレーナー:数十人の中国人が一度に話している中で聞こえてくる音というのは、普段、私が聞いていた教材やラジオの音声とはまったく異なっていました。まるで音の波が、一気に耳に入ってくるような感覚です。そんな環境で過ごすうち、数ヶ月後にはひどい頭痛が始まったんです。

永田:身体に現れてきたと。

望月トレーナー:2週間程度続いたのですが、今思えば、この頭痛がまさにブレイクスルーのポイントでした。ある日の勤務中、「昨日のあの番組みた?」「見た見た!」という声が耳に飛び込んできました。「なんだ?」と思って顔を上げると、それは隣の中国人スタッフ達のおしゃべりでした。これまで単なる音としてしか認識できなかった周りの中国語が、はっきり聴きとれるようになっていたんです! それ以降、頭痛は不思議と起きなくなりました。

永田:そんなにわかりやすいブレイクスルーってあるんですね!

望月トレーナー:中国在住者の先輩から「現地でいちど食あたりすると、腸内細菌の構造が変わってそれからはお腹を壊さなくなる」と言われましたが、まさに同じことが耳で起こったのではないかと考えています。ショック療法的に。中国語耳ができる過程で起こったのが、あの頭痛だったのかなあと思っています。

永田:そのとき一気に開花した!そんなイメージでしょうか。

望月トレーナー:そうですね。でも、実はその時に突然ブレイクスルーが起こった、というわけではない気がしています。

永田:と、言いますと。

望月トレーナー:確かにあの瞬間までとそれ以降では、中国語の聞こえ方が変わった、というのは事実です。が、その瞬間に至るまでには、やはりある一定の蓄積がありました。学習を続けてきた4年があったからこそ、あの瞬間が訪れたのではないでしょうか。

アフリカの人になったつもりで、中国語と向き合う

永田:ここまでお話をうかがって、やはり望月トレーナーは、実践のなかで中国語を習得されてきたというふうに感じます。

望月トレーナー:実はもともと、字を追うことに苦手意識があるんです。中国語もどちらかというと、歌や映画、耳から学んだ傾向が強いです。HSKも、阅读よりも、听力部分の方が点数が高いんですよ。

永田:なんと!(日本の人は、漢字を知っていることもあって、听力より阅读部分の点数が高い傾向がある)

望月トレーナー:漢字を知っているということは、中国語を学ぶうえではメリット、デメリットの両方になりえると感じます。漢字がわかるから、どうしても目(視覚)に頼ってしまう。ですから、例えば中国語の文を読んでいるときに、日本語の音訓読みを交えて読んでしまうことがあります。

永田:わ、わかります…!私もそうしてしまってます。

望月トレーナー:時々受講生さんに「ご自身はアフリカ人だと思って中国語を学んでみてください」とお伝えしています。日本語としての漢字から離れることで、中国語を目にしたとき、それらが中国語本来の音とより、結び付きやすくなるのではないかと思っています。音を重視し、耳に頼る学習も、とても大切なのではないでしょうか。

永田:アフリカ人として、というのはものすごくわかりやすいアドバイスだと思います。

望月トレーナー:目につく漢字をぜんぶ中国語読みしてみるというのも、面白い勉強法ですよ。

中国語×わらしべ長者

永田:今後、挑戦したいことなどがあればお聞かせください。

望月トレーナー:今は「コレ」という明確な目標が何かあるわけではありませんが、いずれ台湾に住みたいなぁなんて考えたりもします。

永田:望月トレーナーのこれまでを振り返ると、今後も面白い展開が待っている気がしてなりません。

望月トレーナー:そうですね。まるで昔話の「わらしべ長者」のように、人に会い、ご縁がつながり、また新しい出会いがあって…というふうに、奇跡的なことが次々と起きて中国語との関わりを深めてきました。

永田:いずれ望月トレーナーに会いに、台湾に行きますね!

基礎練習は怠るべからず、と、“字”本来の意味の重要性

望月トレーナー:自分も中国語を学び、トレーナーとして日々受講生さんとやりとりをするなかで、やはり基礎発音は絶対にあなどってはいけないと思います。フルーエントのカリキュラムでも、始めの数か月を割いてピンインひとつひとつを押さえていきますよね。やはりここを徹底して訓練された方は、その後の成長が速いと断言できます。

永田:いちど身についた発音はそうそう崩れたりしませんよね。

望月トレーナー:また、はじめは意識していませんでしたが、ここ数年は、単語ではなく、ひとつひとつの“字”にある本来の意味に関心を持つことが増えました。単語も結局は、ひとつひとつの”字”の集まりなんです。例えば、未知の単語に出会ったとしても、使われている漢字から意味を推測することもできる。ですので、単語を調べるついでに、字ごとに分解して調べる習慣を持てると、さらに中国語という言葉への理解が深まると思います。

永田:出発点はご自身の興味関心から。そこを皮切りとして、楽しく、そして時にマニアックに(笑)中国語の道を究められてきた望月トレーナーのお話でした。

最後に――あの頃の自分へ

最後に、望月トレーナーに「中国語学習を始めた当初の自分に声をかけるとしたら?」と聞きました。

望月トレーナー「三日坊主だと思っていたけれど、中国語だけは1日も休まず続けてこられました! 素晴らしい!」

好きだから続けられる。続けられるから身につく。身についたからこそ、新たなキャリアにもつながる。まさにそのサイクルを自ら体現してきた望月トレーナー。

今回のインタビューには、中国語学習者のみなさんにとって、学びを続けるヒントやモチベーション維持のコツがたくさん散りばめられていたのではないでしょうか。

「好き」を原動力に、一歩一歩、着実に前へ。そんな望月トレーナーの姿勢が、皆さんの背中をそっと押してくれるかもしれません。

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